獣医師の梶村です。
梅雨から夏にかけては皮膚病で来院する子がとても多いです。
特に多いのが膿皮症、マラセチア性皮膚炎、ノミアレルギー性皮膚炎です。
今回は膿皮症について説明します。


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膿皮症は皮膚において、細菌が増殖することによって起こる疾患であり、そのほとんどはアトピー性皮膚炎、甲状腺機能低下症、脂漏症などの様々な疾患に続いて起こります。


犬の膿皮症の原因菌はほとんどが Staphylococcus intermedius というブドウ球菌で、他に少数ですがStaphylococcus schleiferi や Staphylococcus aureus などがいます。


膿皮症は通常痒みを伴い、丘疹や膿胞、表皮小環などの皮疹を示します。


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丘疹


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膿胞


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表皮小環


検査は病変部にスライドガラスを押し当て、染色し、顕微鏡で菌、好中球による菌の貪食(菌を取り込み処理する)、変性好中球(貪食後、形が変わる)を確認します。


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治療には抗生剤を3週間ほど使います。薬用シャンプーや、抗生剤入りの軟膏も有効です。
近年、メチシリン耐性ブドウ球菌が問題となっており、様々な抗生剤に耐性を持っています。
この場合、細菌培養検査及び薬剤感受性試験に基づいた抗生剤 を投与します。


画像のような皮膚所見があれば膿皮症の可能性があるので、気付かれた時に連れてきてください。
次回はマラセチア性皮膚炎について説明します。


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うちのモコは夏はがっつりサマーカットです!


獣医師 梶村