神経疾患

変な座り方や、歩き方してませんか??

看護師の和泉です。

少し遅くなってしまいましたが、明けましておめでとうございます!
気づけばもう平成も30年…。
時が経つのが早すぎて、ついていけないですが…(>_<)
今年もかもがわ動物クリニックスタッフ一同、みなさまのわんちゃん・ねこちゃんにやさしい診察・治療ができるように頑張って参りますので、よろしくお願い致します!





最近、椎間板ヘルニア疑いで、来院されるわんちゃんがおられました。



以前に獣医師の梶村先生がブログで「
進行性脊髄軟化症」のことをお話していましたが、この病気は無治療だと1週間程で命を落としてしまう病気です


椎間板ヘルニアを発症し、脊髄の障害が進行して壊死してしまうことで、最終的には延髄という神経も障害を受けて呼吸困難になり、命を落としてしまいます



椎間板ヘルニアで命を落としてしまうの?と思われるかもしれませんが、椎間板ヘルニアは状態が酷いと、命に関わる程とても怖い病気なんです。



椎間板ヘルニアの後発犬種は、ダックスフンドさんが有名ですが、その他にもフレンチブルドッグさんや、パグさんなどの幅広い犬種で起こりうる病気です。



  
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年末年始で、フレンチブルドッグさんやパグさんで、「後肢をひきずる」「座り方がおかしい」といった理由で、当院にご来院された子がいました。
レントゲン検査や神経学的検査を実施し、精密検査で神経病センターにてMRIを撮る形となりました。
 



お家のわんちゃんに、このような症状がみられたら、要注意です!



□後肢を引きずる(歩き方がおかしい
□後肢の甲の部分が地面につくことがある
□後肢が麻痺している(立ち上がれない
座り方がおかしい
□運動を嫌がる(歩きたがらない
□腰や後肢に痛みがある(触ると嫌がる・怒る



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首から下や前肢の痛みや麻痺は、頸椎・胸椎付近のヘルニアの可能性もあります。



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高いところ(ベッドやソファーなど)から飛び降りたり、過度な運動は腰に負担をかけ、椎間板ヘルニアを発症するリスクが高まります。



少しでもお家のわんちゃんに、変わった症状がみられたら、すぐに当院までご来院ください!



看護師 和泉

 




 



進行性脊髄軟化症から命を取り留めたワンちゃん・・その後

獣医師の梶村です。
今回は、去年に進行性脊髄軟化症の手術をした子がホテルに来たので、その様子をお伝えします。


去年の記事です。
進行性脊髄軟化症から命を取り留めたワンちゃん

この時、進行性脊髄軟化症は止められましたが、後肢の麻痺や排尿障害は残りました。


そして手術してから1年弱経ちましたが、 飼い主様の懸命な介護もあってか、元気いっぱいでした。


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何よりも嬉しかったのが、車椅子を使ってうまく歩いていたことです。
ホテル中も、毎日お散歩に行っていました。
その様子です。





後ろ足は完全に動かないですが、前足で上手に歩いています。


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入院中はシャンプーもしてあげました。
気持ち良さそうに、していましたね。

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後肢の麻痺と排尿障害は残りましたが、周りの介護もあって、本人は幸せそうでした!
進行性脊髄軟化症は恐ろしい、致死的な病気です。
しかし、もしこの病気になってしまっても諦めないで、一緒に闘いましょう! 


獣医師 梶村

 

進行性脊髄軟化症から命を取り留めたワンちゃん

獣医師の梶村です。
今回は進行性脊髄軟化症になってしまったものの、手術により一命を取り留めたワンちゃんを紹介します。


進行性脊髄軟化症とは、椎間板ヘルニアで最も重いグレードの場合、まれに発生する病気です。
この病気では、椎間板ヘルニアで脊髄が強く圧迫された後、その部分だけでなく前後の脊髄までがどんどん軟化し壊死していきます。
よってはじめは後肢だけの麻痺だったとしても、そのうち前肢も麻痺し、排尿困難や自力での排泄が困難になり、最終的には延髄の呼吸中枢が麻痺して、呼吸困難により亡くなってしまいます。
この病気が恐ろしいのは1週間以内の致死率がほぼ100%であり、また現在の獣医学では確立された治療法がないことです。


今日紹介するワンちゃんは3歳のフレンチブルドックで、今年の夏に後肢が立てなくなったとのことで、当院に来られました。
この時点でグレードで言うと5段階中の4であり、椎間板ヘルニアであった場合、手術適応のグレードであるため、すぐに二次病院でのMRIを勧めました。
無事MRIの予約も取れて、その前にもう一度再診で来てもらったところ、後肢の痛覚が無くなり、肛門の反射も無くなっており、悪化していました。
グレードも5になっていました。


予定通りMRIを撮ってもらったところ…


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第3〜第4腰椎における重度の椎間板ヘルニア、および二次性の広範な脊髄損傷という診断結果であり、進行性脊髄軟化症へと移行している可能性があるということでした。


はじめにお話ししたように、進行性脊髄軟化症であった場合、ほぼ100%数日以内に亡くなってしまいます。
そこで院長や二次病院の先生に相談してみたところ、 現在の症状を治すことは難しいが進行性脊髄軟化症自体は手術で進行を止められる可能性があるという話を聞いて、飼い主様と話をしました。


MRIを終えたその足で、飼い主様に当院に来てもらって…
このままだと数日以内に亡くなる可能性があること、手術をすることで症状は残るが命だけは助かる可能性があること、命が助かっても一生介護やリハビリが必要になるであろうこと…
などの話をしました。
飼い主様は、命が助かる可能性があるなら手術にかけてみたい!一生介護になってもなんとかする!
とのことだったので、一刻も惜しいのでそのまま預かって、夜の手術にふみきりました!

 
院長は進行性脊髄軟化症を止めるための手術を何度か経験していたので、手術自体は安心してすすめていきました。


この先手術画像あり











まずは脊髄まで到達するために、 皮膚を切開していきます。
鉗子で掴んでいる場所が病変部です。
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脊椎まで到達しました。
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ここで脊椎に穴をあけて、脊髄を露出させます。
通常の椎間板ヘルニアの手術では一つの穴をあけますが、進行性脊髄軟化症の手術では複数個穴をあけて減圧します。
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脊髄を露出したところ、色が暗褐色であり(通常は白〜ピンク)、やはり重度の脊髄損傷を受けていたということと、脊髄自体が軟らかく、脊髄軟化症であろうことが分かりました。


椎間板ヘルニアの原因となった、椎間板です。
これも除去します。
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最後に脊髄を覆っている硬膜を切開し、脊髄にかかる圧を減らして終了です。


術後すぐに、肛門の反射は戻りました。
これにより便が垂れ流し状態だったものが改善されました。
しかし予想通り他の後肢麻痺、排尿困難などは残りました。

進行性脊髄軟化症では1週間以内で亡くなることがほとんどなので、術後1週間が勝負です!
なので1週間は入院させて毎日、神経学的検査をして、進行していないかをチェックしました!
毎日、朝来たら亡くなっているのではないかという恐怖はありましたが、飼い主様も毎日面会に来てもらったおかげもあってか、フレブルちゃんは麻痺が進行することなく無事退院できました!


術後、予想通り後肢の麻痺は残りましたが、頑張って水を飲みに来る姿を撮りました。



そして現在、術後2ヶ月ほどになりますが元気いっぱい前足で動きまわっています!
飼い主様も毎日、圧迫排尿、リハビリと頑張ってくださっているようです!


進行性脊髄軟化症は恐ろしい病気です。 
ほぼ100%、しかもあっという間に亡くなってしまいます。
しかしそう診断されてしまっても、諦めることはありません!
獣医療も日々進歩しており、当院では院長も僕も常に最新の知識技術を勉強しています!
事実このフレブルちゃんのように助かることもあるのです!
近い将来、進行性脊髄軟化症はほとんど止められる病気になるのではないかと思っています!


獣医師 梶村


 

椎間板ヘルニア後のリハビリテーション

獣医師の梶村です。
以前、院長が椎間板ヘルニアの手術の記事をアップしましたが、今回は椎間板ヘルニアのリハビリテーションについて説明します。


リハビリテーションの目的はQOLの改善、回復の促進、筋肉や神経の機能回復、起立及び歩行機能の改善、麻痺の改善、関節可動域の維持及び改善などです。
リハビリテーションの種類としては、マッサージ療法、他動運動、補助下での自動運動、自動運動、物理療法などの分けられます。
内科療法か外科療法か、また動物の重症度によって、選択すべき方法は変わってきます。


⑴マッサージ療法
血流及びリンパ流の改善、筋肉の張りや凝りの改善、皮膚感覚の改善、筋萎縮の抑制などの効果があります。

・軽擦法
 体表を軽く擦る。
・揉捏法
 皮膚や筋肉を揉む。
・強擦法
 体を強く揉むように擦ったり、回転させる。
・振動法
 肢全体を振動させる。
・叩打法
 リズミカルに筋肉を叩く。


⑵他動運動
人が動物の身体の一部を動かして、機能回復を図る方法。
関節可動域の改善、筋及び腱の伸長、神経や筋肉の感覚や機能向上を目的に行う。

・関節のストレッチ
 肢を伸ばした状態で30秒程維持する。
・屈伸運動
 全ての関節を屈伸する。
・自転車漕ぎ運動
 自転車を漕ぐように麻痺肢を動かすことで、歩行パターンを再習得させる。
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・引っ込め反射の誘発
 神経と筋肉の連動性を高める。自力起立できない動物の筋力の維持に有効。
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⑶起立及び歩行訓練(1日に2、3回)

・起立訓練
 肢を通常の起立している位置に着肢させてから、その体勢を維持する。
 麻痺肢に力が入るようになってきたら、徐々に麻痺肢への体重負重を増やしていく。
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 タオルを用いても行うことができる。
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・歩行訓練
 自力での起立が1〜5分以上可能となってから開始する。
 起立が十分にできない状態で行うと前肢のみで歩くことに慣れるので、後肢の機能回復を目的とする
 場合は起立できるまで行わない。
 タオルや車椅子を用いて行う。


・ダンス運動
 体を支えて後肢のみで前後左右に歩行させることで、後肢のバランス感覚を鍛える。
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⑷自動運動
動物自身が意識下で筋肉や関節を動かして行う運動。
力強い歩行を再び獲得することが目的。

・引き紐での歩行
 リードを短く持って、ゆっくりとした速度で歩かせる。
 1回につき2〜3分から開始して、最長で1回60分まで行う。

・水泳
 水の抵抗力や浮力を利用した運動療法。
 水温は25℃〜30℃に設定。
 ウォータージャケットを着用し、まずは2〜3分程度から開始し、徐々に時間を延ばす。
 水の中でマッサージをしたり、自転車漕ぎ運動を行うことも有効。


⑸物理療法
電気、光線、温熱、超音波などのエネルギーを用いて、症状を緩和させる。

・温度療法
 疼痛の緩和に有効。
 発症または手術後3日間は患部を冷やし、それ以降は患部を温める。

・低出力レーザー療法
 筋肉の張りや疼痛の緩和に有効。
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以上リハビリテーションについて説明しましたが、家でもできることから、特別な機器がないとできないものまで様々です。
またリハビリテーションは適切な時期に適切な方法で行わないと逆に悪化してしまう可能性があります。
よってリハビリテーションを行う際は獣医師とよく相談してから行う必要があります。



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愛犬のモコも過去に椎間板ヘルニア(グレード1)疑いで治療しました。
ペキニーズも椎間板ヘルニアになりやすいので注意しましょう。

獣医師 梶村

 
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